創作

【小説ネタ】読点の付け方で、文章の印象はがらりと変わります

2016年4月20日

タイトル、「それだけ重要なんだよ!」というのが少しでも伝わっていただければ幸いです(ノ∀`)

先日、こんな引用ツイートをしました。

せっかくなので、例文をもとにもうちょい膨らませて書いてみます。

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読点の位置は1、2位を争うほど難しい

読点をつける位置は、小説を書いていると必ず迷うポイントです。
文章の構成が左右されるほど大事だし、引用元の記事にもあるように、正解がないからこそ難しいんですよね……。

読点に振り回されまくってくると、だんだん読点が「ドS」に見えてきて悔しいです。

ちなみに同じくらい難しいのは改行を入れる位置だったりします。

例文1:キャラの設定でつけるタイミングが変わる

「いきなり同僚に告白された直後の主人公の心境」を書いてみました。
意識的に書いたので、読みづらさマックスですがご了承ください^^;

 私は思わず顔を逸らして改めて考える。

 ついさっきまで私と彼はただの同僚だったはずがこの展開は意味がわからないのに目の前の彼ははっきりしろと強要してくるなんて卑怯じゃないか? 大体今までそんな接し方などしたつもりはなくてただ気の合う仲間という気持ちでいたのに彼は違っていたなんて気づかない私が鈍いだけだったということなのだろう。

主人公が予想外の出来事に弱いタイプならば、こういう書き方でも納得はできます。
「思考がものすごい勢いでぐるぐるしていてわけのわからん状態」
というのを表現できている……と思います(自信無)

逆に、主人公が予想外の出来事に強いタイプならどうでしょう?

 私は思わず顔を逸らして改めて考える。

 ついさっきまで私と彼はただの同僚だったはずが、この展開は……意味がわからないのに、目の前の彼ははっきりしろと強要してくるなんて、卑怯じゃないか?
 大体今までそんな接し方などしたつもりはなくて、ただ気の合う仲間という気持ちでいたのに、彼は違っていたなんて……気づかない私が鈍いだけだったということなのだろう。

つい改行も入れてしまいましたが、
「なんとか思考をまとめ、状況を理解しようとしている」
というのが伝わってくる……はずです(やっぱり自信無)

いずれにせよ、読点を組み込むだけでかなり印象が違ってきます。

例文2:主役の置かれている状況でつけ方が変わる

主人公の置かれている状況でも、読点の役割は重要となってきます。
以下の例文は、「受験に合格した直後の主人公の心情」を書いています。

 信じられない。
 目の前にある光景は本当に現実なんだろうか?
 背中をぽんと叩かれて改めて現実なんだとようやく実感する。
 今までの努力がようやく実ったと喜びがこみ上げて涙が溢れた。

敢えて読点なしの文だと、意味は通じるものの、どことなく機械的な印象を受けます。

これに読点と、ちょっぴり文字も足してみると……

 ――信じ、られない。
 今、目の前にある光景は本当に現実、なんだろうか?
 背中をぽんと叩かれ、間違いなく現実なんだとようやく実感する。
 今までの努力がようやく実ったと、喜びがこみ上げて涙が溢れた。

主人公の嬉しさがより伝わりやすくなりました。

以上の例文はどれも短い文ではありましたが、それでも読点をつける位置に悩んだポイントがあります。それを以下にまとめてみました。

例文1と例文2で悩んだポイント

*あらかじめ……

◯◯の行で悩みました。

  1. 採用前の文
  2. 採用後の文

というふうに書いていきます。

採用するにあたっては、冒頭のツイート通り
「つける位置を調節しながら頭の中で音読しながら」
作戦を実行しています。

*例文1

悩んだのは、二行目の途中まででした。

  1. 大体、今までそんな接し方などしたつもりはなくて、ただ気の合う仲間という気持ちでいたのに彼は違っていたなんて
  2. 大体今までそんな接し方などしたつもりはなくて、ただ気の合う仲間という気持ちでいたのに、彼は違っていたなんて

1番目は、ブログのような普通の文なら問題ない位置ですが、小説として考えると「?」でした。
「予想外の出来事に強いタイプ」なのに、後半が駆け足気味になってしまっていたからでしょう。

それに対し、2番目は程よい位置で読点を入れることで、
思考を区切っている=冷静にまとめようとしている
様子が伝わります。

*例文2

悩んだのは、二行目の後半でした。

  1. 本当に、現実なんだろうか?
  2. 本当に現実、なんだろうか?

この文だけ見れば、どちらでも問題ないのでは? と思えます。

しかし前半と合わせて見てみると、1番目は若干リズムが悪いです。
加えて「主人公が戸惑っている」感が、二番目よりも弱いように感じます。

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まとめ

もちろんこれが正解というわけではありません。小説は十人十色の世界……

だからこそ難しいんですよね(´・ω・`)

そしてここまでまとめて、改めて気づきました。
私やっぱり感覚人間だ。
(いつも「こっちのほうがよさげー」で書いちゃうことが多い)

でもこうしてまとめてみていい勉強になったので、もっとこういう記事を書いていきたいと思います!

Ayumu Michino

道乃歩みちのあゆむと申します。
創作と写真と一人時間をこよなく愛する人。

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