小説

『OVER-生と死のラビリンス』は一冊で三度オイシイ

2016年4月10日

※アフィリエイト広告を使用しています

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine
※はてなブログで行われていたお題です。

スポンサーリンク

タイトルは折原みとさんの作品です

「小説嫌い」から「小説好き」となったきっかけの作家さんです。

ほぼ全作読破していたのでだいぶ迷いましたが、最後まで所持していた作品という理由でタイトルの本を選択しました。

内容は今で言う「異世界転移もの」です。
以下、簡単なあらすじをまとめました。

高校生になったばかりの主人公「深見せつな」は、自殺した中学時代のクラスメイト「永井祐未」の葬儀から帰る途中、バスの衝突事故に巻き込まれてしまう。
目が覚めると、なぜか祐未の好きだったゲーム『レジェンド・オブ・エルトラーナ』の世界にいて、その場にはたまたま同じバスに乗っていた「リュー」「ショウ」「マリア」の姿もあった。
初対面の3人と力を合わせて、この世界からの脱出を目指すが……。

「小説はつまらないもの」の意識を変えてくれた

本自体があまり好きではなく、敢えて読むのは絵本や漫画なのに、文字しかない小説なんて本当につまらない。
そんな私が折原みとさんの作品をたまたま本屋で見かけ、一緒にいた友達に薦められるまま読んで……

「小説」の世界観が変わりました。

普通の小説よりイラストだらけだし、小説というよりかは漫画に近いかも知れない。
それでも「文字が多い物語」も楽しいんだ! という気持ちが芽生えたのは、趣味で小説を書いたりするようになる未来の自分を考えればかなりの変化でした。

『OVER―生と死のラビリンス』は三度の美味しさが詰まっている

  • RPGの王道が詰まっている(当時はゲームの影響でRPGが大好きだった)
  • 最初は赤の他人というのもあって、連携すら取れていなかったキャラ達が少しずつ友情を深めていく描写
  • 主人公とヒーローの恋愛描写

一冊の本で、これだけの要素が楽しめるんです。
もう、ワクワクしないわけがありませんでした。何度読み返したかわかりません。

実は、序盤で一度「ゲームオーバー」を体験するんですよね。
何とかしたいと戦闘を頑張っていたのはせつなちゃんとリューくんのみで、他の二人は逃げ回るばかりでちっとも戦力になりません。そのうち強敵に遭遇してしまい、全滅。

せつなちゃんは「これで帰れるかも」と思うのですが、「おお しんでしまうとは なさけない」的展開でスタート地点に戻されます。
クリアしなければ脱出できない――そう、改めて思い知らされます。

ここでせつなちゃんが「この場だけでもいいから、みんなで協力しよう」と説得し、そこから本当の意味で「仲間」となっていく。
その展開がたまらなく、実際にゲームをプレイしているような気分も相まってページをめくる手が止まりませんでした。

個人的には、最少年の「ショウ」くんの成長ぶりが好きでした。
裕福な家の子だった(と思う)からか、甘えん坊で「自分にできるわけがない」と駄々をこねていたのが、試練を乗り越えて頼もしい戦士へと成長する姿がとても格好よかった!

まあ、最初がマイナスからのスタートだったというのも大きいと思いますが(ノ∀`)

スポンサーリンク

折原作品で考えるとマイナーかも知れないけど好き!

有名なのは「天使シリーズ」や「アナトゥール星伝シリーズ」だと思います。私ももちろん大好きですし、特にアナトゥールは女の子の憧れが詰まった作品でしたしね!

この作品、CDブック版もあったみたいです。せつなちゃんが笠原留美さん、リューくんが神谷明さんですよ。めちゃくちゃ豪華ですね!

小説を好きにさせてくれた折原さん、そしてたくさんの「ワクワク」をくれたこの作品は間違いなく青春そのものです♪

Ayumu Michino

道乃歩みちのあゆむと申します。
創作と写真と一人時間をこよなく愛する人。

OFUSEで応援する

この記事をシェアする▼

-小説